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【2025/05/04 23:02 】 |
花束をどうぞ -1-

 キーンコーン、カーンコーン。
 いつの時代になってもこれこそが定番とばかりに校舎に鳴り響いた鐘の音にサンジは級友達とのおしゃべりをやめて慌てて自分の席へと戻った。
 本日3つ目の授業は『体育』。サンジがもっとも得意とする授業の一つだ。
「今日は『魔王の砦』クリアが課題になる」
 ガラリと大きな音を立てて入ってきた教師が教卓から室内の生徒に宣言するやいなやあちらこちらから大きな溜め息が漏れた。
 魔王の砦というのは生徒達が皮肉を篭めてつけた仇名で、体育のバーチャルプログラムの一つなのだが非常に困難でクリアが難しいものだ。
 近未来、すべての教育は肉体と脳を切り離した形で行われるようになっていた。
 体は身体として育成プログラムが組まれ、無駄なトレーニングは授業として組み込まれることはない。またその育成プログラムの中で特出した能力を示した子供がいれば、幼い時からその道のプロとしてアスリート教育を受けることも出来るのだ。
 脳のトレーニングと違いバーチャルプログラムは実際の体を使ったトレーニングになる。
 早い話が専用のウエアを着て、飛んだり跳ねたり走ったり、仮想空間の中を動き回ることになる。
「なあなあ、サンジィー、俺とパーティー組もうぜ」
 コンと後ろから椅子の足を蹴られて話しかけられるのにサンジはニンマリと笑みを浮かべた。
 級友達と違い日常でも体を鍛えてるサンジはクラスの中でもダントツでバーチャルプログラムの成績はいい。もともと運動神経もいいし、頭の回転も速く、トラップにも引っかかりにくいサンジは体育だけでいえば三本指にはいるぐらい成績はいいのだ。
「あー、まあ、組めたらな」
 ほんの少しだけ後ろを振り返ってニヤリと笑いながら告げたサンジに小さく不貞腐れたようなちぇッという返事が返ってくる。サンジが知っている魔王の砦というプログラムは男子2名に女子1名のランダムパーティーで構成されるはずだ。しかも同じ時間に同プログラムをネットを使って繋いで行う為同じ学校のヤツと組むとは限らないところが、また難易度をあげているのだ。
「まず出席番号奇数のものからスタートだ。ウエアを着て体育館に集合」
「はい!!」
 教師の声に行儀よく返事が返り、半数の人間が慌ただしく教室を出て行く。
「残りのものはバランスソフト使用」
「はい!」
 一つのプログラムはだいたい30分程度。それでクリア出来なかった場合は”GAME OVER”表示が出て終わりだ。バランスソフトというのは音楽と簡単な問題が組み合わさったリラックスソフトの事だ。
「頑張って来いよー」
「おう・・・」
 先程サンジの椅子の足を蹴ったクラスメイトが力なく笑いながら教室を後にする。サンジはそれにヒラヒラと手を振りながら楽しげにバランスソフトをノートの中へと呼び出したのだった。


~続く~



 

拍手[5回]

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【2010/03/02 14:12 】 | パラレル設定
愛がなくっちゃね -1-
 最近一人になると途端に妙な視線を感じる事がある。
「!!!」
 しかしその視線を感じた方へと勢いをつけて振り返っても誰もいないのだ。
「チッ! いったい誰だ・・・」
 頭の中に浮かんだクルーの顔を打ち消しながら俺はイライラと胸ポケットから取り出した煙草を口に咥えた。
 この怪奇現象が始まったのは数日前のある夜からのことだった。
 いつものように見張り番へ夜食を届け、キッチンの戸締りを確認して、さて寝ようかとキッチンの扉を閉めたときだった。ジイイっと突き刺さるような視線を背後から感じたのは。
 もちろんそのとき、俺の背後、つまりキッチンには誰も居なかった。
 だから薄気味悪いと俺は気のせいだとそれを一蹴したのだ。
 しかし、その日を皮切りに、俺はジットリと注がれる視線に何度も振り返るという行為を繰り返している。
「クソッ!!」
 数日前から始まった声をかけるでもなくただ見られるだけという行為はその不気味さと伴ってそろそろ我慢の限界を感じ始めていた。俺自身信じてはいないが世の中にはユーレイや、妖怪(めいた知り合いもいるが)といった常識ではありえない存在がいると言われているし、俺も始めはこれはそういった類の、ぶっちゃけ言うと最近小競り合った海賊から奪った宝についているなにか・・だろうと思っていたのだが、どうもそうではないらしいのだ。
 チョッパーが言うにはその現象が起こった俺の周りには匂いが残っているのだという。
 俺の挙動不審に真っ先に気付いたのは動物だからかチョッパーが最初だった。その次に気付いたのはクソ剣士。そしてナミさん、ロビンちゃん・・・と、今ではクルー全員が俺に注がれる不可解な視線とやらに気付いている。そんな現状に俺はホッと胸を撫で下ろしたのだが、その不可解な視線の後に残る匂いはクルーの匂いなのだとこっそりとチョッパーが困ったような顔で俺に告げてきたことで振り出しに戻った。
 俺の周囲にうっすらと匂いの膜が渦巻くような形で痕跡が残っているのだと小さな蹄を振り回しながら説明してくれたのだが、クルーの誰かだということは分かっても(知っている匂いだかららしい)、タイミングがあったとしても薄すぎて、一瞬だけのそれに判別できないのだとチョッパーは俺に教えてくれた。
 まあ、つまりそんなチョッパーの話から想像するに俺を『見ている』のはサニー号に乗るクルーの内、『誰か』だということだ。
 意識して見ることが出来るのは能力的にいってロビンちゃんだけだろうけど、ロビンちゃんが図書館でナミさんと航海について話をしていたときに俺は視線を感じた事があるのだ。つまり、俺的にはあって欲しいと願っていた視線の持ち主は麗しいレディではなく、チョッパーを除いた、ルフィ、ゾロ、ウソップ、フランキー、ブルックの男5人の誰かということらしい。
 ・・・・もちろん、その事実に俺が鳥肌を立てて実力行使に及びそうになったのは他でもない。
 チョッパーとレディ達に止められなかったらきっとサニーはきっと航海不可能なぐらいに破壊されていただろう。
 とりあえず三人の意見は見ている本人に自覚がないのだから見ていることに気付けばこの現象は止まるだろうとの事だったし、何故見ているのかという理由を知りたくない?というナミさんの悪戯めいたチャーミングな笑みに俺がうっかり頷いてしまった事で現状維持という毎日を送ることとなった。
「・・・・・限界だ・・・・」
 煙草を吸いながら人目のある甲板に出てきた俺は深く煙を吐き出しながら心情を口に出す。
 本当に限界だとズルズルと目の前の柵に体を凭れかけさせる。
「くっそ! ほんとに何がしてぇんだよ」
 始めはそれでも控えめに向けられていた視線は今では頭の先からつま先まで嘗め回すように俺の上を這っていく。それどころか・・・。
「・・・ッチ」
 俺の上を這った視線は今度は服の中まで入り込むかのように皮膚の上を這いずり、じっくりねっとりと俺を玩ぶかのようにジリジリと刺激を与えてきたのだ。
  ガンと腹立ち紛れに柵を蹴ると、あちらこちらから視線が注がれた先程と違う労わるような気遣うようなそれらに、俺は体に篭った熱を逃がすかのように一つ大きく息を吐き出したのだった。

 ~続く~


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拍手[13回]

【2010/03/02 13:30 】 | 海賊設定
2010年サン誕企画
毎年さりげなくスルーしてしまう剣豪さんのお相手(ぉぃ
今年こそはまともにお祝いしてみようかな~と思い立ち(たぶん
サン誕企画なるものをやってみようと思います(^^;;


更新期間は2010年3月2日~2010年4月1日まで

目標は海賊で一話とパラレルで一話

それぞれ連載形式で書いていきます。
長さがどれぐらいになるかは不明ですが、完成後のお話はDLFとします(^^

本日から一ヶ月。ペースはわかりませんがお付き合いよろしくお願いいたします(^^

拍手[13回]

【2010/03/02 02:05 】 | ご挨拶
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